第74章 死んでも一緒に連れて行く

信じられない!

直径一メートルもある大木すら容易く啄み貫くあの大鷲の鋭い嘴が、俺の皮膚を貫けなかったのだ。

見ると、俺の胸の位置が二センチほど深く凹んでいる。まるで空気の入った風船を手で押さえているかのようだ。

数日前に食べた、あの二つの赤々とした神秘的な果実が作用したのだと、すぐに察しがついた。

「マジかよ……」

俺自身でさえ、自分の表皮がこれほど強靭になるとは思っていなかった。

いや、単に強靭なだけではない。

もし単に硬いだけなら、ネパールナイフで切れて、大鷲の嘴で貫けない道理がない!

正確に言うなら、ここまで強靭になった、というべきだろう。

すでに絶望し、死を待つばかり...

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