第75章 死里逃生

地理学的に言えば、どの方向に歩いても、最終的には海岸線にたどり着けるはずだ。

問題は、どれだけ歩かなければならないか、だ。

何しろ、この無人島では、歩く距離が長ければ長いほど、危険に遭遇し、ひいては死に至る可能性も大きくなる。

「大鷲の平均速度から計算すると、一緒に飛んだのは二十分ほど。つまり、さっきの場所から西の島の岸まで、およそ百キロ前後ってところか!」

俺はどさくさに紛れて密かに計算していた。百キロ。俺にとっても、避難所にいる仲間たちにとっても、受け入れられる距離だ。

そんなことを考えていると、大鷲は突如、百八十度の急旋回をした。

その強烈な慣性で、俺はもう少しで振り落とされ...

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