第78章 この大博打は私の勝ちだ

頭のてっぺんから爪先まで、俺は佐藤衛の全身を隈なく探った。

やがて、腰にあったポケットの一つから、求めていたものを見つけ出した。

それは三つの干からびたキウイのような果実をつけた、痩せた苗木だった。

「これって……!」

水原琉衣が驚喜の声を上げた。

彼女もそれが何かを認識したのだ。かつて俺たちが出会った、力を増強するあの神秘な果実だ。

見慣れた三つの果実を前に、俺の胸のつかえはようやく下りた。

この大博打、俺の勝ちだ!

俺は自分を指差し、次にクロを指差した。

水原琉衣は俺の意図を汲み取り、急いで苗木から干からびた神秘な果実を一つもぎ取ると、小走りでクロの元へ向かった。

一方...

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