第95章 発熱の原因

発熱自体は珍しいことではない。

この間も、チーム内で病気になる者は少なからずいた。

なにしろ長旅で疲労困憊し、食料は不足、夜は湿気がひどい。風邪や発熱といった症状は、決して稀ではなかった。

しかし奇妙なのは、一つのテントで、五人が同時に高熱を出して昏睡状態に陥っていることだ。しかも昨日まで何の兆候もなく、あまりに突然の発症だった。

俺は険しい顔でテントから後ずさり出た。

古川陽が慌てて尋ねてくる。「どうだ? 何が問題か分かったか?」

俺は首を横に振った。

古川陽はため息をつく。「風見先生がいてくれたらなあ!」

一呼吸置いて、彼はさらに声を潜めた。「西村晴馬、まさかとは思うが……...

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