第5章

絵里視点

空気が凍りついたようだった。

和也の表情が、驚愕から困惑、そして苦痛へと一瞬のうちに変わっていく。

「絵里……何を言っているんだ」彼の声は震えていた。

「愛してる、和也」私は一歩踏み出し、二人の間の距離を詰めた。「愛してるわ、娘が父親を愛するような愛し方じゃなくて、一人の女が、一人の男を愛するように。あなたのそばにいたい。あなたの人生で、一番大切な人になりたいの」

和也は蒼白な顔で後ずさった。

「やめろ……絵里、お前は自分が何を言っているのか分かっていない……」

「分かってる!」私はさらに踏み込み、彼の手を掴もうとした。「私はもう十九歳なのよ、あなたが引き取った...

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