第8章

和也視点

絵里を見た瞬間、世界中がぱっと明るくなったようだった。

三ヶ月ぶりに会った彼女は、痩せたものの、さらに美しくなっていた。アフリカの太陽が彼女の肌を健康的な小麦色に焼き、その瞳は今も星のように輝いていた。

彼女は簡素な手術着を身につけ、髪をポニーテールにまとめ、額には汗が滲んでいたが、俺の目には、これまで以上に美しく映った。

「絵里……」彼女のもとへ歩み寄り、抱きしめ、どれほど会いたかったかを伝えたかった。だが、彼女の氷のような眼差しに、俺は凍りついた。

「五条さん」その声は恐ろしいほど静かだった。「アフリカへようこそ。ここの心臓外科医、水原絵里です」

水原絵里?...

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