176: そんな恐ろしい思い出

ケリー・アン視点

私はジャスパーのベッドで彼の隣に横たわり、タオル一枚を体に巻いただけの姿で瞳を閉じていた。本当はこんなこと、したくなかった。でも、ジャスパーには知ってもらう必要があった。私の恐怖が何なのか。私がどうしてこんな人間になってしまったのか。なぜ、子供を産めない体なのかを。先ほど、シャワーを浴びていたジャスパーは、私の目の前で、私との間に子供を授かることについて、不安を感じ始めていたのだ。彼には、このことを知ってもらう必要があった。そうしなければ、彼は私との間に子供を持つことを恐れてしまうかもしれない。私にはそれができないと分かっているのに。

だから今、私はここにいる。あんなにも...

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