第5章

ホテルに戻ると、私はすぐにノートパソコンを開き、ネットバンキングにログインした。家を売った代金はすでに振り込まれており、その数字は想像していたよりも少し多かった。

地図を開き、「白城」と検索する。祖母が生前よく口にしていた場所だ。そこには連なる山脈と、鬱蒼とした松林があり、冬は一面の白雪に覆われ、夏は緑の草原が広がるのだという。

「白城の夜空ではオーロラが見えるのよ」

祖母はかつてそう語ってくれた。

「世界で最も美しい景色の一つでね、まるで天が人の世のために灯した色とりどりのランプみたいなんだから」

決心はすぐについた。

私は翌朝一番の白城行きの航空券を予約し、それから...

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