第34章

「兄さん、これでいいのかな?」

拓也は隣に立ち、ネックレスに向かって少し焦りながら尋ねた。

彼の目の前では、二台のショベルカーがエンジンを始動し、ゆっくりと海を渡る橋の方へ動き始めていた。そして視界の先では、すでに月野里奈と咲良が乗っている車もこちらへ向かって走ってくるのが見えていた。

拓也は拳を握りしめ、心の中ではまだ不安が残っていた。

勇太と計算したところでは、ショベルカーでの阻止は成功率が非常に高く、ミスさえなければ大型トラックさえも止められるはずだった。だが、今運転している二人はやはり慣れていない。もし失敗して車を通してしまったら、すべてが台無しになる。

絶対に成功させなき...

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