第40章

上田景川は本来なら即座に反論するべきだったのに、社長椅子に頭を預けたまま、頭の中では月島里奈の顔が一瞬現れ、次の瞬間には月野里奈の顔に変わり、二つの顔が彼の目の前で回転し始めた。そして最後には、二つの顔が一つに溶け合い、一人の美人の顔になった。

そして不思議なことに、まったく違和感がなかった。

月島里奈、月野里奈。

彼女たちの名前はたった一文字違うだけ。ならば、二人の間には何か繋がりがあるのではないだろうか?

上田景川は苦しげに考え込んだ。二人の顔の輪郭はあまりにも似ていて、体つきも似ている。咲良に対する接し方も、まるで実の娘のようだった。

だが、彼を見る目は違う。

月島里奈の瞳...

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