第42章

左田と右田は顔を見合わせ、気まずそうに上田景川に向き直った。「あの、上田社長…もう夜の八時過ぎでして。俺たちの兄貴はまだ子供なんで、とっくに寝る時間かと…」

「ですので、やはり……」

上田景川は冷たい目で左田の顔を一瞥した。「さっきまでネットで彼と話していたんじゃなかったのか?」

二人は再び視線を交わし、仕方なく拓也に電話をかけ、上田景川が会いたがっていることを伝えた。

「いいよ」

佐藤安子の家のベランダに座っていた拓也は、冷ややかに唇を歪めて笑った。

さっき妹から電話があって、あの男とママが喧嘩したって聞いたばかりなのに。今度は左田さんたちを使って、僕に会いたいだと?いいだろう...

ログインして続きを読む