第5章
彩香視点
シリアル売り場でショッピングカートを押しながら、値段を比べている。プライベートブランド品と有名メーカー品。三百円の差。一ヶ月前だったら、気にもしなかっただろう。
今は、安い方の箱を選んでいる。
携帯が震えた。知らない番号。青海市の市外局番だ。
画面を三秒見つめてから、電話に出る。
「見つけたぞ」
大和の声。
「どうやってこの番号を?」
「俺を誰だと思ってる?簡単に見つけられるに決まってるだろ? 彩香、馬鹿な真似はもうやめろ。いつまであんなくだらない町に隠れてるつもりだ?」
携帯を握る指に力が入る。年配の女性がカートを押して通り過ぎ、こちらをちら...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章 
5. 第5章 
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
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