第114章 この機会をつかむ

涼宮寧音は、もう涙を堪えきれなかった。ぽろぽろと頬を伝い、視界が滲む。

二十年以上、胸の奥に積もり積もった悔しさも、やり場のない痛みも、全部――この瞬間に吐き出してしまった。

母さん。あなたを恨んでなんかいない。

恨んでいるのは、どうしてもっと早くあなたを見つけられなかったのか――そんな自分だけ。

二度も騙され、二度も目隠しをされたまま生きてきて、ようやく彼女は知ったのだ。すべてを。

……しばらくして、寧音の荒れた呼吸が少しずつ落ち着いていく。

彼女は涙を拭い、机の上のデザイン画を手に取った。

やはり母は、才能の塊みたいなジュエリーデザイナーだった。

手稿に残された作品はどれ...

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