第117章 溺れさせるほど魅惑的

涼宮遥香の顔色が、すっと青ざめた。

彼女が用意していたのは、いかにもビジネス向けの口上だ。プロのスピーチコンサルまで付けて、立ち居振る舞いも話し方も徹底的に仕上げてきた。勝てる。そう信じていた。

――なのに。

涼宮寧音は、そんな小細工を根こそぎ奪うやり方で、土台からひっくり返してきた。

感情と物語をまとった寧音の説明の前では、遥香が丹念に積み上げたものが、今この瞬間だけはひどく空っぽに見える。

それでも、引くわけにはいかない。

涼宮遥香は硬い足取りで壇上へ上がり、用意していたPPTを開いた。

スクリーンに映し出されたのは、豪奢で、装飾も工程も複雑そうなドレス。

「私のデザイン...

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