第123章 家

涼宮啓介の顔色が、みるみるうちに真っ青になった。

この録音が表に出れば、涼宮家は致命的な経営危機に陥る。――そして自分の立場も、終わる。

「や、やめてください……!」

彼は恐怖に駆られたように首を振り続ける。

「伏見社長、お願いです。そんなこと……!」

「今さら怖くなったか」

伏見盛重は鼻で笑い、録音機をすっと懐へしまった。

「これは渡さない」

涼宮啓介がようやく息をついた、その直後。

「代わりにこう言ってやる。お前が、涼宮家を一瞬で地獄に落とせる『秘密』を握っているとな」

伏見盛重の声は淡々としていた。

「中身は教えない。勝手に想像させればいい。答えが欲しけりゃ――お...

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