第128章 もう十分言ったか

宴会場の中は、クリスタルのシャンデリアが眩いほどに輝いていた。

涼宮寧音と伏見盛重が姿を現した瞬間、視線は一斉にそちらへ吸い寄せられる。

伏見盛重という男の格の違い――そして、涼宮寧音との距離の近さ。隠す気のない親密さが、場の好奇心に火をつけた。

少し離れた場所で、御曹司たちに囲まれていた江口辰木は、寧音から目を離せずにいた。

別の男の腕に手を添え、彼が見たこともないほど自信に満ちた笑みを浮かべる彼女。胸の奥が、酸っぱく、苦く、じわりと痛む。

――あの場所は、かつて自分のものだった。

そして自分の手で、彼女を遠ざけた。

辰木はグラスを持ち上げ、瞳の奥の悔恨と焦りを酒で隠すように...

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