第130章 怖がらないで、俺がいる

伏見盛重の冷えきった警告を受けても、陸川景輔はむしろ笑みを深くした。

鼻筋の金縁眼鏡を指で押し上げ、伏見盛重の肩越しに視線を滑らせる。その先にいる涼宮寧音を、値踏みするように見据えた。

「伏見社長、そんなに構えなくてもいいでしょう。俺はただ、涼宮寧音さんにお祝いを言いたいだけです。今夜の彼女は、P市でもここでも――二冠ですから」

言葉の端々に、からかうような含みがある。

P市のデザイン騒動も、今夜のこの茶番も、彼にとっては盤上の駒にすぎない。遊びだ。

陸川景輔は涼宮寧音へ、周囲には届かないほどの声量で囁いた。

「興味が湧いた。期待してるよ。俺を退屈させないで」

そう言い終えると...

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