第134章 あまりにも順調すぎた

涼宮寧音は身じろぎもせず、ただ目だけを上げて彼を見た。

その視線に射抜かれた涼宮宇一は、どこか後ろめたさを滲ませながら慌てて書類袋を開き、中身を取り出す。

株式譲渡契約書——。

「君が表に出て、手元の証拠で母さんを告発してくれるなら……涼宮グループの株40%は、全部君のものだ」

40%。

それは、涼宮三兄弟が名義上持っている株のほぼすべてに等しい。

寧音の瞳に、嘲りがすっと走った。

自分を罠に落とすために、涼宮家も随分と血を流すつもりらしい。

彼女は契約書を手に取り、悠然とページをめくる。

条項は整い、署名欄も押印欄も空白のまま。あとは彼女が名前を書くだけ——そんな体裁だ。...

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