第150章 次は彼だ

「……分かってます」

涼宮寧音の瞳は澄みきっていて、そこに怯えも迷いもなかった。

「伏見社長。私のためにしてくださったこと、心から感謝しています。このご恩は、別の形で必ずお返しします。たとえば伏見グループに、もっと大きな価値をもたらすとか」

一拍置いて、彼女はきっぱりと言い切る。

「でも私は――売り物じゃない」

「もう誰にも寄りかからない。涼宮家にも……あなたにも」

その言葉が、伏見盛重の胸を鋭く抉った。

彼は彼女のために道を敷き、障害を取り除き、表からも裏からも飛んでくる刃をすべて受け止めてきた。

それなのに――彼女にとっては、等価交換できる「恩」にすぎないのか。

しかも...

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