第16章 彼女は本当に変わった

夜は墨を流し込んだみたいに濃い。

書斎のスタンドライトが落とす淡い光の輪。その中心に、机へ身をかがめる影があった。

涼宮寧音は指先をわずかに動かす。すると画面の上で、線がするすると形を成していく。

前の人生で、血も心も削って描き上げたのに、最後には誰かの手柄として奪われたデザイン。――その数々がいま、堰を切ったように脳裏から溢れ出していた。

その静けさとは裏腹に、涼宮家の別邸は重苦しい空気に沈んでいる。

涼宮遥香はソファに身を縮め、小さな顔から血の気が引いていた。瞳には、怯えがべったりと張りついている。

スマホの画面に映っているのは、大学の掲示板。

寧音を罵る投稿は、跡形もなく...

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