第21章 私は後悔しない

客席で本来、涼宮寧音に惹きつけられていた観客の視線は、瞬く間に涼宮遥香の「悲劇のヒロイン芝居」へと引きずられた。

涼宮遥香は涙を滲ませ、哀れを誘うようにステージの端に立ち尽くす。

一方で涼宮寧音は、まるで「奪った側」として矢面に立たされた。

けれど彼女は、慌てて言い返そうとはしない。

ざわめきが少し落ち着いたところで、涼宮寧音は淡々と口を開いた。

「涼宮遥香。私の説明を最後まで聞く気があるなら、そんなに急いで『演じる』必要はなかったはずよ」

そして彼女は、大スクリーンへ視線を向ける。

合図と同時に、画面が切り替わり、まったく別の資料が映し出された。

「私は、ひらめきが偶然生ま...

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