第28章 真の顔つき

モデルが身にまとったドレスは、もはや「ドレス」という枠を軽々と超えていた。

それは――生命を宿した芸術品。

基調となるのは、深く沈んだ暗紅。まるで鳳凰が炎をくぐり抜け、なお消えきらぬ余燼が灰の奥でくすぶっているかのような色だ。

スカートは幾重にも重なり、その一枚一枚に金糸で繊細な羽根の文様が刺繍されている。歩むたび、薄紗の下で流火がすっと走るように揺らめき、光と影が移ろって――目眩がするほど壮麗だった。

そして、圧巻は肩から背にかけての設計。

会場中が、思わず息を呑む。

目の前の『涅槃』は、あらゆる枷と束縛を引きちぎって、烈火の中で新たに生まれ変わった鳳凰そのものだった。

涼宮...

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