第30章 彼は彼女が思ったより危険だ

涼宮寧音の指先が、カードの表面をそっと撫でた。

顔を上げ、伏見盛重を見る。その目に、新社会人特有の遠慮やおどおどした色はない。

「伏見社長、ご投資ありがとうございます。ご選択が間違いではなかったと、私の価値で証明します」

涼宮寧音はカードをバッグにしまう。

「協業の細部については、明日資料を揃えて伏見グループへ伺います」

伏見盛重が片眉を上げた。あまりの落ち着きに、意外そうな気配が滲む。

――こいつ、他とは違う。

このカードを手にした者の多くは、まず歓喜する。

だが涼宮寧音が気にしているのは、どう返すか――その一点だった。

自分の興味でも引こうとしているのか。

そのとき、...

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