第39章 順調すぎて少し不自然

彼女の声は、床を打つ石のように揺るがなかった。

伏見盛重は、その瞳に燃え上がった闘志を見て、漆黒の眼差しの奥に一瞬だけ賞賛を走らせる。

だが表情は最後まで、氷みたいに硬いままだ。

「なら、証明してみせろ」

そう言い捨てると、彼は踵を返して外へ向かった。

「北島大輝。アトリエの直近1週間の材料ロス報告、俺のメールに送れ」

「かしこまりました、伏見社長」

その背の高い影が扉の向こうへ完全に消えてから、ようやくアトリエの張りつめた空気が、ほんの少しだけ緩む。

早瀬はそっと息を吐き、涼宮寧音を見る目に、確かな敬意を宿した。

伏見社長の目の前でデザイン理念に食い下がり、それでもその場...

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