第46章 これが奇跡でなくて何だというのだ

裁断から縫い合わせ。シルエットの定着から、手作業の装飾まで……。

そのすべてを、涼宮寧音が自らの目で確認し、最後まで責任を持って仕上げた。

空が白みはじめた頃、涼宮寧音は完成した新しいサンプルを両手で掲げる。

朝の光を受けた雲錦シルクは、静かでいて贅沢な艶を、さらりと流すようにまとっていた。

絞り込まれたウエストラインと、背中へ走るラインの美しさ。『涅槃』が持つ強靭さと再生を、余すところなく語り尽くす。時間を沈めた分だけ胸の奥へ突き刺さる、そんな美だった。

アトリエは、しんと静まり返っていた。

三日分の心血が凝縮された一着を前に、誰もが目を熱くする。

「……やった。成功だ……!...

ログインして続きを読む