第54章

グローバル・タワー、最上階。

涼宮寧音はオフィスに足を踏み入れると、ホワイトボードに伏見家の人物相関図を書き起こしはじめた。

伏見守臣。

一族の礎——その名を、最上段に置く。

その下に並ぶのは、伏見盛重の父。

公に出ている情報はほとんどない。ただ、長年芸術研究に没頭し、世事には関わらない——それだけ。

伏見盛重の叔母は、いわゆる良家の令嬢。ときおり慈善の晩餐会に姿を見せる程度だ。

さらに下段。

近頃の伏見家が公の場に現れた記録。

寧音は、式典ごとの装いの選び方を一人ずつ洗い、そこから「好み」を掘り当てようとする。色味、襟の形、素材の張り、装飾の引き算。小さな違いの積み重ねが...

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