第60章 話して分からないなら、力ずくだ

涼宮啓介と涼宮卓実が病院へ駆けつけると、涼宮宇一は魂が抜けたような顔で、ただ立ち尽くしていた。二人もまた、どう声をかければいいのかわからない。

「兄貴、母さんは……どうなんだ?」

涼宮啓介が焦りを隠せず訊く。

「まだ……意識が戻らない」

涼宮宇一の声は、かすれていた。

「じゃあ遥香は? 遥香はどうなんだよ!」

遥香の名を出した瞬間、宇一の眼差しはさらに苦痛に歪んだ。

彼は二人へ紙を差し出す。危篤状態の通知。そこには、冷たく現実だけが並んでいる。

「医者が言った……骨髄移植を、今すぐやらないと間に合わないって」

啓介は膝が抜けそうになり、ぐらりと身体を揺らした。

卓実が咄嗟...

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