第70章 これは本気で来るのか?

涼宮啓介も、同じように腑に落ちなかった。

彼にとって涼宮寧音は、所詮は伏見盛重の部下の一人にすぎない。多少の才があったとしても、伏見盛重が自ら出張ってくるほどの存在とは思えない。

「伏見社長……何か掴んだんじゃない?」

涼宮遥香の顔に、不安がさっと走る。

涼宮啓介は苛立ちを隠さず舌打ちする。

「まさか、本当に寧音を引き渡すってのかよ」

「遥香はまだ危険な時期だ。渡せるわけがないだろ」

涼宮宇一が不機嫌そうに言い捨てた。

「でも、伏見盛重のほうが……」

「伏見盛重が何だ」

涼宮宇一の目に、鋭い光が宿る。

「ここは涼宮家の縄張りだ。伏見グループの庭じゃない。いくら横暴でも、...

ログインして続きを読む