第71章 また彼に一つ借りができた

彼らは、部屋の隅で小さく身を縮める影を見つけた。

「涼宮さん……ですか?」

北島大輝が探るように声をかける。

涼宮寧音は、ゆっくりと顔を上げた。

涼やかで凛としたはずのその顔は、いまや血の気が失せるほど白い。身にまとっているのは病衣で、灰埃にまみれていた。

まるで踏みにじられ、今にも散りそうな花。触れた瞬間、砕けてしまいそうな脆さ。

場数を踏んできた北島大輝でさえ、胸の奥がひやりと震えた。

涼宮家は、寧音を虐待し、監禁していた——。

伏見社長が自分たちを向かわせていなければ……。

想像するだけで、背筋が冷たくなる。

「伏見社長、見つかりました。屋根裏部屋です」北島大輝はす...

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