第75章 純粋な利用関係

「はい」

北島大輝はトランクから買い物袋を取り出した。

「ここは伏見社長名義の物件です。式典までの間、こちらにお住まいになるのがいちばん安全かと」

伏見盛重が自分を守っている。そう理解した瞬間、涼宮寧音の胸の奥に、言葉にしづらい感情が渦を巻いた。

北島大輝は玄関まで見送り、入退室カードを差し出す。

「涼宮さん、暗証番号はお誕生日です。何かございましたら、いつでも私にお電話ください」

「ありがとうございます」

「とんでもございません」

北島大輝は軽く会釈し、そのまま踵を返して去っていった。

涼宮寧音はカードをかざし、中へ入る。

別荘の内装はミニマルで、黒・白・グレーの配色が...

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