第77章 彼女は納得しない

女がすっと背筋を伸ばい、顔を上げた、その瞬間――

会場のあちこちで「ひっ」と息をのむ音が重なった。

フラッシュが、狂ったように焚かれる。

涼宮寧音だった。

今日の彼女は、美しさが息を奪うほどだった。

濡れた絹糸のように艶やかな長い髪が肩に無造作に落ち、掌に収まるほど小さな顔立ちをいっそう繊細に引き立てている。メイクは淡い。けれど必要なところだけを的確に押さえ、整った目鼻立ちの長所をきれいに浮かび上がらせていた。

なかでも、あの瞳。

視線が流れるたび、光が宿ってきらめく。

そして決定打は、胸元の開いたベアドレスだった。

青いベルベットの上に、細かなダイヤの欠片を無数に縫い留め...

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