第86章 今回は本当に宝を拾ったな

「ゴホン、ゴホンッ!」橘健太郎は慌てて言い直した。「いや、つまりだな……彼女には、お前――伏見盛重の女になる素質があるってことだ!」

それを聞いて、伏見盛重の表情がようやくわずかに和らいだ。

そのときだった。ノックの音とともに北島大輝が入ってくる。

「伏見社長。ご依頼の件ですが――例のデザイナー、Orangeについて」

「掴めたのか」伏見盛重が目を上げる。

「掴めたことは掴めました。ただ……」北島大輝の顔が、どうにも言いづらそうに歪む。

「言え」

北島大輝は息を吸い込み、腹を括ったように告げた。

「Orangeの登録情報が……涼宮さんの個人情報と、ほぼ一致しています」

「は...

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