第88章 俺の女、誰が侮れる?

意識が、ぐちゃぐちゃだった。

身体は灼けた溶岩の上を漂っているみたいで、次の瞬間には深海の渦に引きずり込まれる。

熱い。息ができない。

灼熱と窒息が、交互に押し寄せる。

涼宮寧音は、とてつもなく長い夢を見ている気がした。

夢の中には、前世で味わった裏切りと絶望があり、転生してから積み上げてきた我慢と算段がある。

そして――澄みきったヒマラヤ杉の森。

森の中で迷い、果てのない闇と熱に包まれて、もう飲み込まれると覚悟した、その瞬間。

馴染みのある雪松の香りが、ふわりと彼女を絡め取った。

彼は、理性の鎖が外れた獣みたいに、容赦なく彼女を奪った。

痛みと、息が止まるほどの快楽が絡...

ログインして続きを読む