第97章 気にするほど壊したくなる

この二日間、涼宮寧音は伏見盛重と顔を合わせることはなかった。

けれど彼が手配した栄養士は、息が詰まるほど丁寧に彼女を世話した。

朝昼晩の食事は一流シェフの手によるもの。滋養のある品が、まるでタダ同然みたいに次々と病室へ運び込まれる。

身体は少しずつ戻っていく。

なのに心だけが、日を追うごとに沈んでいった。

「寧音、そんなに考え込まないでよ。伏見社長、たぶん不器用なだけなんだって。ほら、あなたが倒れたとき、誰より慌ててたじゃない」

桜庭千秋はなんとか彼女を明るくさせようとする。

「それに涼宮遥香たちの件もさ。あのソフィーのブランド、株がストップ安になったって聞いたよ。国内の大手デ...

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