第99章 一線を画す

軟禁生活が始まった。

――とはいえ、待遇だけ見れば女王そのものだ。

朝食は栄養士が用意し、衣装部屋の服は毎日入れ替わる。伏見盛重は最高級の絵具と画材まで空輸させた。

別荘の門を一歩も出られない。それ以外なら、涼宮寧音は欲しいものを何でも手に入れられる。

なのに、ちっとも嬉しくなかった。

同じ別荘に住んでいるはずなのに、彼とはほとんど顔を合わせないのだ。

その夜も、寧音は眠れなかった。

喉が渇いてキッチンへ向かおうと階下へ降り、リビングに差しかかったところで、書斎から言い争う声が聞こえてきた。

「伏見社長、これ以上は無理です!」北島大輝の声が切羽詰まっている。「もう一週間、毎日...

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