第102章

 安藤羽風が意気消沈していたその時、彼のスマートフォンの着信音が突如鳴り響いた。

 一瞬呆然とする。発信者はなんとYORAグループの三浦さんだった。

「もしもし、安藤羽風さんでしょうか」三浦さんの穏やかな声が聞こえる。「私、YORAグループの三浦と申します。弊社の社長があなたにお会いしたいと」

「まさか、北野雲が?」安藤羽風は硬直した体を動かし、信じられないほど掠れた声を出した。

「はい。もしよろしければ、今からYORAグループの社長室までお越しいただけますでしょうか」

 その言葉を聞き、安藤羽風はすぐさま立ち上がると、ジャケットを一枚羽織って慌ただしくアトリエを飛び出した。

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