第108章

夜、固く閉ざされていた禁室の扉が、不意に開かれた。佐藤愛の顔に、一瞬だけ喜びの色が閃く。

「晨、あなたが私を放っておくはずがないって、信じてたわ!」

焦りと喜びに駆られ、彼女は慌てて身を起こし、氷川晨を迎えようと駆け寄ろうとした。しかし聞こえてきたのは「ドンッ」という鈍い音。血まみれでボロボロの佐藤矢子が、無造作に投げ込まれたのだ!

「きゃっ!」佐藤愛は顔面蒼白になり、恐怖に駆られて数歩後ずさった。「あ、あなた……」

「む、娘よ、た、助けてくれ……!」佐藤矢子の声は、もはや人のものとは思えぬほどに掠れていた。抉り取られた右目は虚ろに宙を睨み、全身の皮膚には穴がいくつも空いている。その...

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