第116章

「遥子、遥子! どうしたの? 私の声が聞こえる?」松本彩は緊張した面持ちで、葉原遥子のベッドの傍らに付き添い、焦った様子で彼女の名前を呼びかけていた。

葉原遥子は呼吸を荒くし、唇は白く、額にはびっしょりと汗をかき、全身が意識せずとも絶えず震えている。

「いや、いや……ありえない!」

突如、葉原遥子はかっと目を見開き、蒼白な指でシーツを強く握りしめ、声には信じられないといった響きと震えが混じっていた。

松本彩はその行動に一瞬ぎょっとしたが、我に返ると、ようやく安堵の息を吐いた。

「どうしたの? 悪い夢でも見てた?」松本彩は優しい口調でそう言うと、手を伸ばしてその甲で葉原遥子の額に触れ...

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