第16章

L大学は、S市の著名な金融系学校として、入学試験は当然ながら多くの人々の注目を集めていた。

葉原遥子は学校に入るなり、カメラを持ったメディア関係者が学生にインタビューしている姿を目にした。

彼らに捕まらないよう、キャップを低く押さえ、彼らを避けて南校舎へと向かった。

大学院入試会場の人数は多くなかったが、受験生たちは一様にビジネスエリートのような雰囲気を漂わせていた。

葉原遥子は前世で助言を求めたことのある金融界の大物や、ビジネス誌によく登場する著名人も見かけた。

氷川晨が投資しているこの学校が金融界で高い評価を得ているのは認めざるを得なかった。

突然、試験会場の外から怒声が響い...

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