第169章

「お誕生日おめでとう、風早郁香さん」

葉原遥子は微笑みながらバッグから洒落たギフトボックスを取り出し、風早郁香に手渡す。

「ほんの気持ちだけど、気に入ってくれると嬉しいわ」

風早郁香は箱を受け取り、そっと蓋を開けた。中には手作りのシルバーブレスレットが収められており、小さな音符の形をしたチャームが、照明の下で柔らかな光を放っている。

彼女の瞳に驚きの色が浮かび、顔を上げて破顔した。

「ありがとう、すごく綺麗」

続いて松本彩が進み出て、精巧なジャケットのレコードを差し出した。

「ハッピーバースデー! この歌手が好きだって言ってたでしょ?」

風早郁香はレコードを受け取り、ジャケッ...

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