第17章

黄昏時分、氷川家。

葉原遙子は堂々と氷川お婆様の前に立っていた。隣には氷川晨がいる。

「見なさい、最近何をしているの!晨に心を尽くすように言ったのに、あなたときたら、嫁いでから大学受験だなんて、何事だい!氷川家はいつもあなたに尽くしてきた、欲しいものがあれば何一つ足りないことはなかったでしょう?わざわざ氷川家の顔に泥を塗るつもり?」

氷川お婆様はソファに座り、怒りで震えていた。

葉原遙子は目を伏せた。前世では、彼女は狂おしいほど愛し、氷川お婆様の考えに簡単に洗脳され、その考えがどれほど時代遅れで腐敗しているか考えようともしなかった。

氷川奥様としての役割を全うするため、彼女は氷川晨...

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