第20章

佐藤愛はすぐに青村園園から送られてきたメッセージを受け取り、彼女の顔は一瞬で真っ青になった。

どうしよう?葉原遥子が本当に来たわ!

以前から葉原遥子が合格したことは知っていたものの、実際にL大学で悠々と現れた彼女を目にすると、心臓は緊張で激しく鼓動した。

前回のことがあって、この一週間氷川晨は彼女に一度も自ら電話をかけてこなかった。何か用事があるときはいつも田中秘書を通して伝言させていた。

佐藤愛が尋ねても、田中秘書はただ「氷川社長は奥様とご一緒です」と言うだけだった。

彼女は下唇を強く噛み締め、心の中で葛藤した末、やはり氷川晨の番号を開いた。

電話は繋がったが、氷川晨は何も言わ...

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