第209章

あの宝石……。

葉原遥子の脳裏に、ふと転生した当日の記憶が蘇る。目覚めた瞬間、視界を覆う突き刺すような白光の中、一筋の幽玄な蒼い輝きが走ったのを覚えていた。それは水のように揺らめき、瞬きの間に消え去った。あまりの儚さに、幻覚だったのではないかと疑うほどだ。

だが今、図面に描かれたブルーダイヤモンドの輝きは、確かにあの日の記憶と重なり合っていた。

「葉原さん、どうかしましたか?」

物思いに耽る葉原遥子の様子に気づき、佐々木允が静かに声をかける。

「いえ、なんでもありません」

葉原遥子は視線を戻し、ゆっくりと顔を上げる。その表情はすでに平然としたものに戻っていた。

「ただ……佐々木...

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