第217章

松本彩が自分以上に興奮しているのを見て、葉原遥子のささくれ立った心は、かえって冷静さを取り戻していた。

彼女が深く息を吸い込み、口を開こうとしたその瞬間、視界は強烈なフラッシュの光に塗りつぶされた。裁判所の階段は瞬く間に記者たちで埋め尽くされ、彼らに向けられたカメラの砲列からは、シャッター音が雨あられと降り注ぐ。記者たちは先を争うように質問を浴びせかけてきた。

「葉原さん、機密情報漏洩に関する氷川社長の告発について、どうお考えですか」

「お二人の確執に、第三者の関与は?」

「佐藤さんとの不貞行為は心神喪失状態での出来事だったと氷川社長は釈明していますが、それについては?」

葉原遥子...

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