第222章

広々とした個室に漂うのは、居心地の悪い沈黙だけ。その場はまるで、死んだように静まり返っていた。

高橋空も高橋お爺様も、口を開こうとする気配すらない。葉原遥子はわずかに眉を寄せ、二人の間に流れる不穏な空気を鋭敏に感じ取った。彼女はゆったりと立ち上がると、場を取りなすように穏やかな口調で語りかける。

「空。お爺様はただ、私に食事をご馳走してくださっただけよ。他意はないわ」

一拍置いて、彼女は様子を窺うように付け加えた。

「あなたも、一緒にどう?」

その言葉に、高橋空は高橋お爺様を睨みつけていた視線を外し、葉原遥子の顔へと向けた。瞳の奥に宿っていた冷徹な光がわずかに和らぐものの、眉間の皺...

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