第268章

「高橋空、まさかまた会えるとはな」

鬼龍院煉は冷ややかな口調で言い、葉原遥子と高橋空を交互にねめ回した。不意に、彼は目尻を吊り上げ、高らかに笑う。

「どうやら、葉原家の令嬢と恋仲だという噂は本当だったらしい。前回は偶然で済ませられたが、今回は明らかにこの女のために来たわけだ」

葉原遥子が眉を顰める中、高橋空は表情一つ変えず、彼女を支えてゆっくりと立ち上がらせた。銃を構える黒服の男たちを一瞥し、鬼龍院煉へと冷徹な視線を向ける。

「手を引け。これはお前のものじゃない」

「誰に向かって口を利いている?」

鬼龍院煉は目を細め、声の温度をさらに下げた。

「やはり人は恋などするものではない...

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