第271章

午後三時半。雲の切れ間から射し込む陽光が、路面を走る黒塗りのセダンを照らしていた。

栗山弥音はシートに身を預け、窓の外を飛ぶように過ぎ去る景色を静かに眺めていた。伏せられた睫毛の奥には、どこか物思いに耽るような色が滲んでいる。

「おい、生まれ変わりなんて話、どう考えても胡散臭いと思わねぇか?」

平沢逸はハンドルを握りながら眉を寄せ、バックミラーをちらりと確認してはぼやき続けている。

「でもまあ、よくよく考えてみると、あいつの今までの行動は確かに薄気味悪いほど当たってたな。あの『マッカラン1926』とかさ。なんであんな大金はたいて買ったのか当時は理解不能だったけど……そういや、あの酒代...

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