第36章

果酒の名前を目にした瞬間、葉原遥子の顔が凍りついた。

松本彩は頭をさすりながら近づいてきた。彼女は二日酔いのスープを飲み終え、少し正気に戻ったようだった。

「誰がこんなお酒を送ってきたの?」彼女は驚愕の表情で言った「これ、私も何回か飲んだことあるけど、味がすごく変わってるのよ。耐えられない人は吐いちゃうかもしれないわ。この人、あなたをからかうつもりじゃない?」

葉原遥子も呆れていた。

前世では、氷川晨以外にほとんど異性と接触したことがなく、女友達さえも数えるほどしかいなかった。

しかも、今ここに住んでいることを知っている人はほとんどいない。

彼女には全く思い当たらなかった。誰が夜...

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