第45章

葉原遥子は彼女を止められないと悟ると、左側で車両の出入りを管理している警備員に丁寧に謝罪し、素早く彼女の後を追った。

「誰があなたをここに住まわせたの?」松本彩は佐藤愛を睨みつけながら言った。

佐藤愛は顎を上げた。顔認証を確認したところで、もう中に入れるようになっていた。

「それは重要じゃないわ」佐藤愛は挑発的に言った。「重要なのは、今日から私もあなたたちと同じように、この団地に住むということよ」

「あなたが?」松本彩は眉を吊り上げた。「顔立ちもなければ、品もなく、身長もなく、お金もない。所詮は愛人として囲われているだけで、飽きられたらいつでも捨てられる存在。あなたみたいな人が私たち...

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