第61章

葉原遥子はぱちりと瞬きし、訝しげに言った。「インターン? そんな話、私は知らないけど」

「忘れてたよ、お前は超多忙な人だったな。先週その話をした時、たぶん教室にいなかったんだろ」と、平沢逸は呆れたようにツッコんだ。

葉原遥子は彼に申し訳なさそうな笑みを返した。この二ヶ月、彼女はほとんどの時間を会社で過ごしており、学校に顔を出すのは試験がある時だけだった。正直なところ、学んだ金融学の知識はかなり役立っており、ある意味、学んだことを実践できていると言えるだろう。

「遥子はもう自分の会社でこんなに長く働いてるんだから、今更インターンなんて必要ないでしょ?」松本彩が言った。「遥子を疲れさせちゃ...

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